3|天使のたまごは何色か?
「しっかりと現世に戻るまでが巡礼よ!」
Introduction
2022年3月31日
様々な理由で命を落としてしまった人々は、『巡礼者』として不思議な空間『祝福の塔』へと迎え入れられる。
巡礼者は、これから一か月かけて四つの街を巡礼し、最後には『祝福』を一つ選んで現世へと生き返ることができるのだという。
巡礼者を出迎えたのは、自らを『死先案内人こと天使ちゃん!』と名乗る気さくな男(……に見える)。
彼(?)は巡礼をサポートする気満々のようだが、果たして彼を信用してよいものか?
その心の内は何色か?
ひとかけらの疑念を残したまま、巡礼者たちの生き返りをかけた旅は幕を開けた。
第一層:信仰の街
砂漠に囲まれた東洋の空気を纏う街。
議論に興じる住人、ゼロ地区の女性。
巡礼者を向か入れる詰襟を着た精悍な顔立ちの好青年は
この街の領主であり、若き政治家。
第二層:盲目の街
賢さ、平等さを司る眠らない街。
忙しなく街を歩き回る職員たちによって、休むことなく研究が続けられている。
街の主は不格好なほどに背が高く、不気味なほどに規律正しい。
第三層:愚者の街
人と人との愛情があふれる素朴な街。
レンガの道路に馬車が走り、パンの香りが漂う穏やかな日常。
主を務める少年は、見た目に反し落ち着いた紳士。
人を愛し、誰かのために生きる背には頼りがいが感じられる。
第四層:孤独の街
高い天井の宮殿はそこかしこに機材や機械が並べられている。
ピンク色に染まった空は時の概念を持たず、緩やかに流れる雲と遠くに輝く星を映し出す。
主を務める老女は背筋を伸ばし、大きな身振りで
巡礼者を迎え入れる。
第零層:離別の間
塔の地下に位置する真っ白なこども部屋。
天使のための部屋であり、おもちゃが散らかっている。
この部屋の主たる天使たちは、巡礼者たちに最後の選択を迫るが――
「……やっぱりあたしだって、生まれたいわ」
そう言う天使の手を取り、巡礼者たちは再び生まれるまでの道を歩き出そうとするものの……